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東京駅のオーダー
2018.05.27
text & photo by T.Furusato


東京駅3番ホームの柱です・・・

 東京駅の確か3番ホームだったと思いますが、唐突に古い鋳鉄製の柱が目にとまりました。 しっかりとしたコリント式オーダーを持っています。 東京駅創建当時のモノと思われます。 2012年に大規模な復元事業が完了しましたが、東京駅は大正3年に竣工した壮大なルネッサンス様式の建物です。 この東京駅復元に建築史家の立場から尽力したのが鈴木博之氏です。

 彼の数多い著作の中で、私にとって最も印象深いのは「建築の七つの力」という建築論です。 その中の「模倣の力」という章の一節に、「造形に連続的継承性が認められるということは、その連続性全体にわたって共有されつづけてきた、ひとつの理念もしくは理想が存在するということにほかならない。」とあります。 もう少し噛み砕いて言うと「様式とは理念の継承である」ということです。

 それでは「今の日本でどのような建築様式(スタイル)が妥当か?」「日本の今という時代の理念は何か?」ということになりますが、それは少々難しい問題ですね。 例えば住宅でも、和風・洋風・モダンとそれぞれです。 また、大規模な現代建築でも古典を模したものも、逆にSFのようなスタイルもあります。 早い話が「時代が様式を限定しない」「何をやっても自由」ということです。 従いまして、「クライアントや建築家がどのような理念を継承したいか」ということが建築様式(スタイル)を決定することになります。

 近代建築のベースが確立してからおおよそ100年経ちますが、それ以前の古典様式に比べ近代建築の特徴は「快適さ」「安価」にあると思います。 だからこそ私は近代建築をベースに、クライアントの考えや敷地にフィットした上で、もっともっと「快適」で「安価」な建築を実現させたい思っています。




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