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鰻 大和田 「作品解説」


撮影:石橋昌弘/商店建築社

与条件とデザインボキャブラリーの選択
江戸時代から続く「鰻 大和田」のひとつが柏駅前にある。新築されたワンルームマンションの1階に入ることとなった。 交通の激しい国道沿いに位置しているため、まず客席部分の居住性を確保するバッファーゾーンの必要性が感じられた。 次に、ワンルームマンション1階部分の煩雑な形態を取りまとめる設えが必要と思われた。 更に、当然のことながら、飲食店舗として存在感のある表現が求められた。そして、 オーナーからキーワード「オーソドックスだけど新しい!」が与えられた。これらの条件を踏まえ「格子」で店舗全体を覆うこととした。


格子の構成について
店舗全体を竪格子のみで構成すると、空間が単調となり、また、和風の印象が強くなり過ぎることから、竪格子と横格子を併せて 用いることとした。また、竪格子は同じ横格子に較べ遮蔽性を強く感じることから、国道沿いに竪格子、側道沿いに横格子を配した。 更に、店舗内部も格子で構成するものとし、スケール感に対応した細かな格子で竪・横を外部に合わせて配置した。 「格子の重層」を空間表現のベースと設定した。 また、内部格子の一部を可動とし、自由度の高い客席レイアウトを可能とした。テーブル脚部も格子の表現とし、空間構成に積極的に参加した。




大和田定食。鰻は濃い色が蒲焼き、白っぽいのが文字通り白焼き。天然鰻は一年を通して入手するのが困難である。 国内の鰻屋の9割以上が中国・台湾などの輸入鰻を使っている中で、大和田では味にこだわる国内の生産者が作る銘柄鰻『坂東太郎』を使ってる。


素材の表現について
昔から「鰻はタレで食わせる」と言うが、「鰻白焼き」を食する機会を与えられ、考えを改めた。 鰻をワサビ醤油またはワサビ・塩のみで頂くと、鰻それ自身でとても美味しいのに驚いた。 食材の良さを建築材料の表現に置き換え、格子の「木−繊細で平滑」と壁の「櫛目の左官材−ブルータル」のみを強調した。 それ以外の材料や設備類は「見せない表現」で徹底した。

空間について
「格子の重層」により、空間が、はたまた自分自身が浮遊しているように感じられる。 格子の向こう側に垣間見える闇に吸い込まれそうな錯覚に陥る。 煩雑な都市の中で、小さいけれど「特別な場所」がここにある。







鰻 大和田 「データシート」

所在地:千葉県柏市明原1-7-1
主要用途:飲食店舗(鰻屋)
工事種別:店舗内外装
建主:鰻「大和田」

設計・監理:旧テ里設計一級建築士事務所
 担当:古里 正・鳴海 博美
設計協力
 電気設備:潟Aーネス設備設計事務所/担当:杉浦 清
 給排水空調設備:エル設備設計事務所/担当:島村 則男
施工
 建築工事:潟gキタ工務店/担当:福原 良市
 設備工事:日成設備工業梶^担当:山田 行雄(電気)
                       川上 徳仁(給排水・空調)
 家具工事:泣gラストワーク/担当:山口 哲也
撮影:鰍たなベスタジオ/担当:渡辺 洋司
    石橋昌弘/商店建築社

床面積:73u
設計期間:2002年11月〜2003年4月
施工期間:2003年4月〜2003年6月

外部仕上げ
外壁:コンクリート打放補修、外装コテ塗り材櫛目仕上げ
軒天:コンクリート打放補修、VP
外部格子:栂(87x35@100)キシラデコールクリアー2回塗り
犬走り:白那智石敷き
ポーチ床:白御影石乱貼り

内部仕上げ
客席
 床:フローリング(メープル)t=15無垢
 巾木:タモH=75CL
 壁:外装コテ塗り材櫛目仕上げ
 天井:コンクリート打放補修/P.B t=9.5 EP塗り
 内部格子:ホワイトウッド(38x12@36)CL
家具
 テーブル:栂UC



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