#160 篠原一男 生誕百年
2025.06.22
先日、TOTOギャラリー・間で「篠原一男 展」を観て参りました。
何でも、生誕百年ということだそうです。ブログ#156、#158でお伝えしたように、篠原一男の住宅を初めて体験したばかりの私にとって、何ともタイムリーな展覧会です。
篠原一男は大学で数学を学んだ後に建築へ転身し、「住宅は芸術である」と言い放ちます。大きな寺院などの平面構成が単純であることに着目し、木造住宅を単純な幾何学構成とし、「抽象としての日本的空間」を創造します。この頃の作品群は「第一の様式」と呼ばれています。
その後、日本的な屋根を取り払って純化し、「第二の様式」キューブの表現となります。完結的空間が特徴で、前述の「直方体の森」などがこれにあたります。
「第三の様式」は無機性、非叙情性が特徴となります。それまで無かった多様な形態となり「意味」は排除されることとなります。
「第四の様式」は幾何学的な形態の組み合わせを特徴とし、建築形態の新たな可能性(アッと驚く形!)を示しました。
このように篠原一男は何度も作風を大きく変えました。建築家としての生涯を凄い勢いで駆け抜け、多くの建築家に強い影響を与えました。
没後4年を経て、ヴェネツィア・ビエンナーレで、故人に対して異例の記念金獅子賞が贈られました。そのときの総合ディレクターだった妹島和世氏もまた篠原一男を強くリスペクトしている一人です。
言葉にならない「想い」までも
「家」にする
千葉・柏の住宅設計事務所 古里設計
(建築家 古里正)
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