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#057 どのハウスメーカーの住宅を買うべきか vol.10 ヒアリングとコンセプトワークについて

2018.02.12

「鰻 大和田」外観。クライアントの数多くのご要望から「オーソドックスだけど新しい」をコンセプトに設定し、「格子」を展開しました。

今回はヒアリングとコンセプトワークについてお伝えしたいと思います。

クライアントと設計者は出会ったのち、住宅の設計はまず打合せから始まります。 クライアントにとっては自分の考えを設計者に伝える作業であり、設計者にとってはクライアントのご要望をお訊きする作業です。 設計者はその打合せのことを「ヒアリング」とも呼びます。

当初の打合せでは、予算や大まかなスケジュールをお訊きするのは勿論ですが、事細かなお考え・ご要望などをお訊きします。 逆に、例えば「家族にとって一番大切にしたいことは何か?」とか「お子様が将来どうなって欲しいか?」のような漠然とした質問も私はさせて頂くようにしています。 #013「学生の作品に接して」でお伝えしたように、クライアントは本当に多くのご要望・お考えをお持ちです。 しかし、それら多くの要望には当然プライオリティーの大きな差があったり、内容同士がしばしば矛盾していたりもして、まとまりません。 そこでクライアントとの会話を通してクライアントにとって最も重要な内容を見つけ出す作業が必要になります。

例えば「鰻 大和田」の場合はヒアリングの後、学生時代に習った川喜田二郎氏提唱の「KJ法」でそれぞれの要望をカードにし、コンセプトを探りました。 数十枚のカードの内容が「オーソドックスだけど新しい」という内容にまとまり、そこから「格子」が導かれました。 「オーソドックスだけど新しい」以外の要望は「格子」を前提に建物の外観・インテリア・家具等全てのデザインに及びました。 クライアントにしてみれば、自身が「格子」の要望をした訳ではありませんが、それでも「オーソドックスだけど新しい」という自身の要望に叶ったデザインだったので、とても気に入って頂きました。 さらに竣工後、そのコンセプトが細部にまで反映していることに強く感じ入って頂きました。

ハウスメーカーの担当者はクライアントとの打合せで、「和風か洋風か?」「屋根は切り妻が良いか、寄せ棟か、フラットか?」などの質問を重ね、最終的な住宅の形を導きます。 でも、好きな食材を集めただけでは美味しいメニューはできません。 好きな単語を並べても気に入る詩は書けません。 クライアントが本当に愛着を感じる建築を創るにはクライアントにとって(自身も気付かない)最も重要な内容を見つけ出す作業が必要です。 それをもとにデザインの方法論や形を模索して行きます。 しかし、その作業をハウスメーカーのスタッフに求めるのは難しいと思います。

 

「鰻 大和田」インテリア。 外部の格子はインテリアや家具(テーブルの脚部)にも展開し、空間のクォリティーを向上させました。

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(建築家 古里正)
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