#163 「土浦亀城 邸」を観て参りました
2025.09.07
それは建築家土浦亀城・信子の自邸として1935年に上大崎の地に建てられました。白い箱型の外観、リビングの吹抜けとスキップフロアによる立体的な空間構成、近代的な設備などが特徴で、日本のモダニズム住宅の記念碑的な存在です。丁寧な復原作業の上、青山にある高層ビルの公開空地に移築されました。
中を拝見して驚いたのは、夫妻の使用していた家具だけでなく、その中の食器や小物・ネクタイや文具に至るまで実物が残されていたことです。説明してくださった方の話では、共に暮らし家事や秘書業務を担当した家族同様な立場の方が、夫妻の没後20年余りこの家を一人で守ったとのことでした。保存された住宅として奇跡に近い状態だと思います。もう一つ驚いたのは、少年の頃の槇文彦 氏(#072、#147、#153)がこの住宅を訪ね、建築家を志す契機になったとのことでした。
今となっては箱形の外観・吹き抜け・スキップフロアなど珍しくありませんが、90年も前に実現させた先進性には敬服せざるを得ません。また、その歴史的意義を差し引いて現在の作品と捉えても、清々しさを感じる建築でした。
言葉にならない「想い」までも
「家」にする
千葉・柏の住宅設計事務所 古里設計
(建築家 古里正)
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