#032 コルビュジェに泊まる

2016.12.20

今年7月に上野の「国立西洋美術館」が世界文化遺産に認定されました。みなさんご存じのように、フランス人建築家ル・コルビュジェの作品です。一人の建築家の作品群(それも近代建築)が7か国にもまたがり、世界文化遺産になるのは勿論初めてのことです。

ブログ016でお知らせしたように、若い頃、住人の方にお願いしてコルビュジェ設計の住宅の内部を見せて頂いた私ですが、それと前後して、実は彼の代表作の一つ「ラ・トゥーレット修道院」に泊めて頂いた経験があります。一泊三食(粗食ですが)付きにも拘わらず、ユースホステルよりもお安い宿泊料だったように記憶しています。その代わり、翌日の午前中に勤労奉仕がありました。私が泊めて頂いたときは、修道士のご指示のもと、宿泊者全員で屋上庭園の手入れをしました。雑草の除去が主な作業内容でしたが、仕事柄、私が屋上のトップライトの水抜き管を小枝の先で掃除をしていると、「いい仕事するね!!」と修道士の方に褒めて頂きました。

建築を体験する旅は思いも掛けず、とても貴重な体験を私にさせてくれます。コルビュジェの住宅やラ・トゥーレット修道院を体験したのは、私が30歳のときで、それまで勤務していたアトリエ事務所を辞し、リュックサック一つでヨーロッパを2ヶ月程巡ったときの体験です。今ではなかなかそれだけの長期間、仕事を休めませんが、それでも仕事を早くやっつけて、次は何を観に行こうかと思いを巡らせている私です。

写真では判りづらいですが、凧型の各トップライトに一つずつ細いステンレスの水抜き管があります。枯葉や泥などが詰まるので、たまに掃除をする必要があります。
私が泊めて頂いた個室/ベット越しに机、開口部を観る。とても狭く、禁欲的なインテリアです。(当時のポジフィルムなので、不鮮明でゴメンナサイ!)

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(建築家 古里正)
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